震災が発生し、日々復興に追われながらも、この災害をどうやって後世に伝えていくか。
そして忘れない為にはどうするべきかアーティストの方々と色々話をさせていただきました。
アーティストは表現するときに声や楽器を使う。
楽器は自分の気持ちを表現する自分自身のようなものであるから、そこに震災を刻み込める事ができれば。
そんな思いから楽器に瓦礫を使う事となりました。
瓦礫の中には、家族の団欒でこの先何十年も使うはずだったテーブルもあれば、
これから歴史を刻んでいく自宅の一部でもありました。
それが自然災害で瓦礫として処分されてしまう。
思いのこもった資材。
それを私達は思いのこもった材として「思材」と呼びます。
この趣旨を理解して頂き、日本財団様から助成をいただきました。
瓦礫を使用して作った楽器がいいものでなければアーティストには使われない。
アーティストに使われない楽器はたんなる置物でしかない。
妥協できないクオリティを求めて各メーカー様にお願いしました。
やはり水を吸った木材はなかなか難しい、妥協した楽器は出せないとの事で
やはり多くのメーカー様からお断りも受けました。
正しい選択の一つです。
それでも
「なんとかやってみる。出来上がるまでわからないけどチャレンジしてみたい」
と言ってくれたメーカー様がいらっしゃいました。
実現したい楽器と実現できる楽器は違います。
楽器のクオリティが素晴らしい!と言われるクラスの楽器を5社から作っていただきました。
- T’s ukulele 様 3種のウクレレ
- CombatGuitar様 2種のGuitarと1つのBass
- アルコ工房様 1種のCajon
- 宮本卯之助 1つの大太鼓
- 三味線かとう 4つの三味線
- サカエドラム スネアドラム
私達がお願いして作って頂いた楽器は100年たっても現役で素晴らしい音を奏でるでしょう。
そしてアーティストはその思いを胸に残し表現していって頂けるでしょう。
このプロジェクトでできた楽器の代金の一部は「わおんぷろじぇくと」と共同して震災復興の為の基金へ募金されます。