プロジェクトについて

瓦礫再生プロジェクト

2011年3月11日東日本大震災復興と鎮魂を目的に発足

発足のきっかけ

未曾有の地震に加え、津波による壊滅的な被害、更には原発の問題を抱えたままの被災地が少しづつではありますが、色々な方の協力や支援も手伝い、前を向いて活動しはじめています。
5月5日 被災地の一つ東松島市では亡くなられた子供達を弔う「青い鯉のぼり Project」が全国の支援者によって執り行われました。
実弟(5才)を亡くされた高校生の伊藤健人さんを筆頭に、青い鯉のぼりをみたら被災地のお子様を想うという運動です。Twitter 等でもいろんなアーティストに賛同いただいて広く掲げていただきました。今後も継続していくプロジェクトの一つです。
そして、同プロジェクトの延長線上として瓦礫の木材(以下思材)で楽器は作れないかという提唱者3D-factoryの千葉秀の問いかけに、老舗の和太鼓制作会社「宮本卯之助商店様」が賛同して頂き、木材の選定からお願いし制作することとなりました。
※ここでは災害ででた瓦礫の中の木材や素材を、ゴミや廃材等とはいわず想い出や人の復興の思いが入った材料として、思材と表現しております。

3.11 に発生した東日本大震災により多くの命、そして多くの想い出が流されてしまいました。

連日のマスメディアによる報道により、少しずつではありますが、被災地が復旧に向かっている事はご存知の事かと思います。
しかしながら、今も被災地には処理し終わるまでに凡そ10年かかると言われる災害ゴミが数多くあります。災害ゴミ…震災前には生活の一部だった家や家具。そこには家族との多数の思い出が宿り、人々と寄り添い合ってきた物です。

被災をした者や現地を肌に感じる者達の言葉が始まりでした。「全ては無理でも、ゴミとして処理してしまう以外で利用できないか」「災害で起きたことすべての思いと教訓を忘れない為の素材として残したい」「再利用という形で自然を見つめ直すきっかけとして残せないか」震災の日から生きる事に専念した者達は年齢も性別も肩書きも取り払い、互いに手を取り合い、自身の弱気に負けないよう、今を一生懸命生きていこうと互いに語り合ってきました。

少しずつではありますがライフラインや道路などが復旧し、子供達は学校へ、ある者は仕事へ、それぞれの日常を取り戻す為に歩み始めました。けれども一方では、夢みてきた未来への道や、歩むと思っていた将来を断たれた方、避難所や自宅で物理的や精神的に出歩くことが困難な方など、精神的孤独に包まれている者も少なくありません。あれほど復興を掲げて、震災前以上のふるさとを創ると力強く宣言した方達でさえ、心を踏ん張る事に疲れてきているようなのです。

何が復興に足りないのか。何があればまた踏ん張ることができるのか…日常の生活に必要な衣食住を生きていく為の骨格だとするならば、そのまわりを構成する肉体は精神的余裕ではないでしょうか。感動や、笑い、人とつながる事での安心感。まだ心の底からそれらを満喫することは難しいかもしれません。しかし、少なくてもそれらを得るに必要なものは準備しておかなければなりません。

今は最低限生活して行けるところの復興を最優先しています。しかし、それらが落ち着いてから、芸術や文化、スポーツ、娯楽を楽しむには準備に時間がかかってしまっては手遅れの可能性もあるのではと思うのです。

心の底から満たされるようになるまでには沢山の時間が必要です。スタートが遅ければそれだけ深くなってしまうのではないかと私たちは考えているのです。震災前の様に子供達がスポーツ少年団活動を、ご婦人方がカルチャースクールを、お父さんが休日の趣味を、老若男女すべての人が文化活動をできるようにする為には、ハード(建物や敷地)とソフト(楽器や衣装、道具)がある程度必要で、それらはできる人たちが支えてあげて行くべきだと思っています。生きて行く為には二の次かもしれません。でも心が潰れないための栄養は必要ではないでしょうか。私はその昔、0を1にする事は凄まじいエネルギーと沢山の想いが必要だとある方に教わりました。1を2にする継続的な力は個人の強い意思で行えるが、0を1にするには沢山の知恵と勇気とそして心が集結しなければ成り立たないと…
ならば私達は0を1にするサポートをすることで、このみちのくの再生、記憶、復興、そして生きる事のすばらしさを、被災者をはじめ、世界の人たちへ伝えて行きます。すでにとりかかっておりますのは、小さい子供から年配の方まで、みちのくの芸能(地域のコミュニティ)に欠かせない和太鼓を、ZERO-ONE 再生プロジェクトとして手掛け始まっております。各地で祭り囃子が聴こえる様に…。

そして和太鼓に限らず多くの楽器についても同様に、被災地域だけに特化したものではなくすべての材料として、国内だけではなく海外にも復興の思いをのせて進行させていきます。

私達のような芸術や文化に関わっている者ができる事のひとつに、心を豊かにしてあげられる事があると思い、それが可能ならどのような手段が最良か手探りの状態です。それでも私達を含め、大事な方を亡くされた方はもちろん、様々な形で被災された方、応援してくれるすべての皆様が前を向いて生きていこうとしている気持ちを、亡くなられた方への追悼の意を込めつつ、日本全土を含めた世界の皆へ届けたいと思うのです。楽器という形で自分たちができる事をし、同時にいろいろなものに発展させながらこの思い届けたいと思っております。

そして、この思いに賛同していただき、現在では洋楽器のプロジェクトも進行しております。
このプロジェクトにご協力していただける企業様・職人様・一般の方々、またはこの楽器の寄贈を求められる被災地の方々からのご連絡をお待ちしております。

当プロジェクトサイトはNPO法人宮城芸術文化振興団体(MACPO)が運営しております。

提唱・プロジェクト代表事務局/有限会社 3D-FACTORY
プロジェクト推進・販売/株式会社 DMS
プロジェクトPR・運営管理業務/NPO法人宮城芸術文化振興団体
東日本大震災関連支援助成/日本財団ROADプロジェクト